【顧客起点マーケティング】(西口 一希)たった一人の分析から事業は成長する|要約・書評
お疲れ様です。沖縄リーマンライフです。
今回ご紹介するのは、西口一希さんの【顧客起点マーケティング】です。
この本では、豊富な実務・マーケティング投資経験を持つ著者の西口一希さんが、現場でマーケティングに従事する我々読者に向けて、一人の顧客を大事にし、ビジネスを継続的に成長させるノウハウを教えてくれます。
独自のフレームワークやその作成方法まで、読むと一歩を踏み出せるようになる実践的な内容です。
こんな方にぜひ読んでほしいおすすめの一冊です。
- マーケティング戦略を実行するものの、うまくいかない
- 事業の成長を担うことになったが、何に着手するべきかヒントがほしい
- 自社の強みとなるアイデアを見つけたい
それでは、一緒に学んでいきましょう!
【概要】「顧客起点マーケティング」
西口一希さんの顧客起点マーケティングってどんな本?
「顧客起点マーケティング」は2019年4月8日に発売された書籍です。
全232ページの本なので、4~5時間程度で読めます。
1日1時間の読書習慣をつくることで1週間で無理なく読み切れます。
簡単な内容紹介
- マーケティング現場における顧客分析の重要性とそのやり方を教えてくれます。
- 具体的にどのような分析でアイデアを生み出し、施策へとつなげ結果を得たか、事例とともに紹介してくれます。
目先の手法に踊らされず、一人の顧客を大事にし成功へと導いてくれる、マーケターに寄り添った実践本です。
著者の西口一希さんってどんな人?
西口 一希(にしぐち かずき)
- 1990年P&G入社。ブランドマネージャー、マーケティングディレクターを歴任し、パンパース、パンテーン等を担当。
- 2006年ロート製薬執行役員として肌ラボを日本一の販売数量に育成するなど、スキンケア、医薬品、目薬など60以上のブランドを担当。
- 2015年ロクシタンジャポン代表取締役。
- 2017年にスマートニュースに参画
- 現在Strategy Partners代表取締役、M-Force共同創業者としてビジネスコンサルタント、投資活動に従事。
「顧客起点マーケティング」の目次
- はじめに
- 序章:顧客起点マーケティングの全体像
- 第1章:マーケティングの「アイデア」とN1の意味
- 第2章:【基礎編】顧客ピラミッドで基本的なマーケティング戦略を構築する
- 第3章:【応用編】9セグマップ分析で販売促進とブランディングを両立する
- 第4章:【ケーススタディ】スマートニュースのN1分析とアイデア創出
- 第5章:デジタル時代の顧客分析の重要性
心に響いた内容をご紹介
「お客様が最も大事」と言いながら、実際にはマーケティングやビジネス自体が顧客起点ではない企業も多い
これは刺さるマーケターの方も多いのではないでしょうか。
著者の西口一希さんも、かつてP&Gで組織構造とビジネスプロセスの改革があった際に経験されているようで、
社員の意識が顧客ではなく、会社内部やプロセスに向き始め、コスト増にも関わらず成長が鈍くなったそうです。
例えば、目的・WHO・WHATを捉えずに、
- 売上に繋がらない販促キャンペーン
- かっこよさや人目を引くことに行き過ぎた広告宣伝
など手段が目的化してしまっているケースなどもあると思います。
特に、筋の良さそうな手法がありふれる中で、すぐに効果が出そうなHOWにすがりたくなることもあるのではないでしょうか。
実際にP&Gの危機を立て直した新CEOは、「顧客こそがボスである」と打ち出し、会話の中で
- 「顧客は誰なのか」
- 「顧客にとってどんな意味があるのか」
と一貫して問いかけ、V字回復を遂げたそうです。
社内のどの部門の誰が決定権を持つのかや、本社または現場はどう言っているのかなど、ひどい場合には忖度なんてこともあり得るかもしれません。
マーケティング戦略を考える上で、誰に焦点を当てているのか、私たちの日々の業務においてもよく自問して取り組みたいと感じます。
商品ありきではなく必ずN1の生活ありきで、「プロダクトアイデア」の受容性の検討を入念に行う
著者の西口一希さんの苦い経験で語られていました。
新商品のプロジェクトにおいて、開発者目線では強い手応えを感じていて、事前調査でも顧客の商品満足度は高かったのですが、満を持して市場導入したものの定番化できず、終売となってしまった経験から来ているそうです。
原因は、開発者目線が捨てきれず商品満足度で安堵し、顧客の使用シーンで何が起こっているのかに気づけなかったからだそうです。
モノやサービスが良いと売れるだろうという、プロダクトアウト→マーケットインで走らせてしまって、思ったように成果が出ない経験は思い当たるのではないでしょうか。
特に大きな組織の中である部分を担っていたとしたら、
- 本当はこうなんじゃないか
- もっと顧客に寄り添ったものがあるのに
といった上流プロセスに疑問を抱くこともあるかと思います。
マーケティングや新規事業開発に責任を持つ上で、先駆者の貴重な経験の共有から学び、顧客の生活シーンまで捉えていけるようになりたいものです。
「コミュニケーションアイデア」でブランドを創るのではない
前提に、商品やサービスとしてオンリーワンと言える独自性と便益があってこその、例えばTVCMなどの広告宣伝が活きます。
広告が話題になっても売上が伸びないモノがあるように、プロダクトがあってこそのコミュニケーションです。
頭では理解しているものの、
- 認知を取りたい
- 企業ブランドを高めたい
こういった立場になった際に、商品便益や企業が提供する価値などではなく、その広告自体で成そうと思考がいってしまうケースもあると思います。
また、認知やブランド力を高める手段も、Webからリアルまでたくさんあります。数字で計測できるものばかりが正解でもないですし、短期と中期で得意なものとそうでないものもあります。
必ずプロダクトアイデアがあって、コミュニケーションアイデアはその認知の手段であること、この主従関係を意識したいと思います。
さらには選択する手段が目的とマッチしているのかなどよく戦略を練って臨みたいと感じます。
【要約・書評まとめ】「顧客起点マーケティング」を読み終えた感想
この記事では【顧客起点マーケティング】(西口 一希)たった一人の分析から事業は成長するについて書いてきました。
なぜ顧客起点であることが大切なのかや、具体的にどうやって考えて業務を進めていけばよいのかなど、著者の西口一希さんのご経験を包み隠さず教えていただける、そんなビジネスパーソン必読の一冊です。
皆様の一歩を踏み出すきっかけに「顧客起点マーケティング」の当記事がお役に立てれば幸いです。
まとめ
- マーケティング現場における顧客分析の重要性とそのやり方を教えてくれます。
- 具体的にどのような分析でアイデアを生み出し、施策へとつなげ結果を得たか、事例とともに紹介してくれます。
ぜひご一読を!