【マーケティングプロフェッショナルの視点】(音部 大輔)|要約・書評
お疲れ様です。沖縄リーマンライフです。
今回ご紹介するのは、音部大輔さんの【マーケティングプロフェッショナルの視点】です。
この本では、私たち読者がマーケティングのプロとして活躍できるよう、プロの共通言語として採用されているモノの見方や考え方を解説してくれます。実務で困ったときにも読み返しやすいよう、24の問いを通してまとめられています。
こんな方にぜひ読んでほしいおすすめの一冊です。
- マーケティングに従事することになり習熟が必須な方
- 実務で困っていたり、難しい課題に当たっている
- 多様な視点や発想をもって業務を推進したい
それでは、一緒に学んでいきましょう!
【概要】「マーケティングプロフェッショナルの視点」
音部大輔さんのマーケティングプロフェッショナルの視点ってどんな本?
「マーケティングプロフェッショナルの視点」は2019年4月8日に発売された書籍です。
全223ページの本なので、4~5時間程度で読めます。
1日1時間の読書習慣をつくることで1週間で無理なく読み切れます。
簡単な内容紹介
- マーケティングのプロの実践的な視点や考え方を、汎用性や有用性の高いものに焦点を当ててわかりやすく解説してくれます。
- マーケティングとは何か、ブランドとは何か、わかっているようで答えられない本質的なことを教えてくれます。
- 目的が明確化できるようになったり、戦略が練られるようになる方法を指南してくれます。
明日からの実務で使える学びが豊富で、自身のスキルに磨きがかかります。
著者の音部大輔さんってどんな人?
音部 大輔(おとべ だいすけ)
- クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役
- P&Gジャパンでブランドマネジャー、マーケティングディレクターとして、アリエール、ファブリーズ、アテント、パンパースなどのブランドマネジメントを指揮。
- ダノン、ユニリーバ、日産自動車、資生堂などの企業でブランドマネジメントやマーケティング組織構築を指揮。
「マーケティングプロフェッショナルの視点」の目次
- まえがき
- 第1章:市場創造とブランドマネジメント
- 01:あなたのブランドの「競合は何か」
- 02:あなたの参入している市場で、「いい○○とは何か」
- 03:「マーケティングとは何か」、そして「ブランドとは何か」
- 04:ブランドを持つことの意義は何か
- 05:あなたのブランドの「競合先、ターゲット消費者、そしてベネフィットは何か」
- 06:あなたのブランドの「顧客は誰か」、そして「誰に語りかけるべきか」
- 第2章:戦略の実践
- 07:目的と資源は、正しく明示できているか
- 08:目的を見失わないために、何に気をつければいいか
- 09:強い、とはどういうことか
- 10:現場の観察力を引き出すために、何を聞くべきか
- 11:属人的な成功を再現するために、何をすべきか
- 12:組織全体が論理的に思考するために、何をすればいいか
- 第3章:ブランドマネジメント
- 13:ブランドマネジメント制を導入する際、気をつけるべき点は何か
- 14:ブランドマネジャーが持つべき心構えとは何か
- 15:CMOが固有になすべきことは何か
- 16:どうすれば各分野の専門家とうまく協働できるか
- 17:組織が持続的に成長するために必要なことは何か
- 18:なぜ組織が人材を育てることができるのか
- 第4章:マーケティングのこれから
- 19:マーケティングのデジタル化とは何か
- 20:なぜ「20代女性」がターゲット消費者なのか
- 21:ブランドを定義しているか。ブランドホロタイプ・モデル
- 22:マーケティング活動の設計図を描いているか。パーセプションフロー・モデル
- 23:ベネフィットで感情を喚起するために、何を考えればいいか
- 24:デジタル化とAIをどのように活用すべきか おわりに:「変わるものと、変わらないもの」
- あとがき
心に響いた内容をご紹介
ベネフィットとは、何を期待してもらうか
ベネフィットは価値であって、自社は何を売るのか、顧客が買う理由です。
新商品やサービスを市場に導入しチャレンジするのも、自分たちの持つ技術やその進化に自信を持っているからこそだと思います。
ですが、その過程で「機能=ベネフィット」と考えてしまって、訴求してしまっているケースがあると思います。
著者の音部大輔さんは、機能は「消費者の期待」を実現し、超えるための手段であることを忘れてはならないと指摘されています。
例えば300馬力のエンジンを搭載しているというのは素晴らしい技術で機能ですが、そのままではベネフィットではないということです。
だから自分にとって何がいいのか
消費者を主語としたベネフィットを示すことが肝心です。
そうして消費者の期待値をうまく設定し、その期待値を機能をもって超えることで、満足を提供し、強固なユーザーベースをつくりブランドを強くしていきます。
インサイトが捉えられていないともちろんWHATも嚙み合わないので、顧客の解像度も上げて取り組みたいものです。
年齢、性別セグメンテーションの後退
著者の音部大輔さんは、年齢・性別によるセグメンテーションは時代錯誤感が否めないし、いまだに「20代女性」といった消費者定義でマーケティング計画を立案しているのは不思議な感じがすると指摘されています。
確かに消費者心理よりも年齢、性別でターゲットされた提案書などを目にすることもあるのではないでしょうか。
かつての高度経済成長の世の中では、消費者は今よりも均質的で、年齢と性別によるセグメンテーションが影響力を持っていたといいます。実際に、年齢に応じてライフステージが変わり、多くの人が均質性の高いライフスタイルで暮らしていたと。
ですが、多様化が進んだ現代ではそうではなくて、20代女性の中には、実家に同居する大学生から、ビジネスパーソン、子どもを育てる主婦まで様々です。
過去もそうだったかもしれませんが、より多様化が進んでいるということです。
経験豊富なマーケターであれば、例えば、20代女性と40代女性でわけるのではなく、独身就労と子育て主婦に分ける方が的を射ているといいます。
ライフスタイルや生活信条に直結しやすいグループ分けのほうが実践的に意義深いということです。
もし直感的に20代女性をターゲットにしたいと思った時には、なぜ20代なのかを自問してみると良いとアドバイスをしてくれています。
- 人生経験が短いことか、これからの人生が長いことか
- 学校などのコミュニティーが限定的であることか
- 社会で先輩のほうが後輩よりも多いことか
- 都市生活者である可能性や収入のレベルの傾向か
- 結婚出産などの特定のライフステージを意識しているのか
- デジタルリテラシーを重視しているのか
など年齢ではなく消費者属性を記述するほうが、ターゲットの価値観や信条を理解するうえでも効果的であると感じられます。
ベネフィットで感情を喚起するために、何を考えればいいか
感情にアプローチする理由として、人の行動は理性だけではなく、多分に感情的な理由に依存することが多いという前提があります。
そこでマーケティングやブランディングで感情を喚起する上で、
「消費者の感情は他者との関係の中で大きく動く」ことを意識するのが良いとおっしゃっています。
普段はあまり意識していないかもしれませんが、自身の消費を振り返った時、一部の衣食住など不可欠な物品・サービス以外は他者やコミュニティーを意識しない消費はほとんどないと音部大輔さんは言います。
「消費者は他者との関係性のなかで物やサービスを消費する」というシンプルな概念を知っておくことで消費者理解のレベルを簡単に引き上げられるようになります。
単純に「自ブランド対ユーザー」や「自ブランド対競合ユーザー」と考えるよりも、
「その消費者は、どの他者やどのコミュニティーとどのような関係を築く際にどういった不便や課題を感じていて、ブランドはいかにその関係や関係の度合いを改善できるのか」と考えると、薄くしか見えていなかった消費者について、帰属する社会や他者との関係性が見えてきて、消費者理解が深まり発見が得られるようになると感じられます。
【要約・書評まとめ】「マーケティングプロフェッショナルの視点」を読み終えた感想
この記事では【マーケティングプロフェッショナルの視点】(音部 大輔)|要約・書評について書いてきました。
マーケティングに従事する会社員の方や、ブランディングに悩む方などに向けて、明日から仕事がうまくいくヒントが詰め込まれたビジネスパーソン必読の一冊でした。
皆様の一歩を踏み出すきっかけに「マーケティングプロフェッショナルの視点」の当記事がお役に立てれば幸いです。
まとめ
- マーケティングのプロの実践的な視点や考え方を、汎用性や有用性の高いものに焦点を当ててわかりやすく解説してくれます。
- マーケティングとは何か、ブランドとは何か、わかっているようで答えられない本質的なことを教えてくれます。
- 目的が明確化できるようになったり、戦略が練られるようになる方法を指南してくれます。
ぜひご一読を!