【なぜ「戦略」で差がつくのか。】(音部 大輔)戦略思考でマーケティングは強くなる|要約・書評
お疲れ様です。沖縄リーマンライフです。
今回ご紹介するのは、音部大輔さんの【なぜ「戦略」で差がつくのか。】です。
この本では、P&G、ユニリーバ、資生堂など各社でマーケティング部門を育成・指揮してこられた著者の音部大輔さんより、
わかっているようでわかっていない、使いこなせていない「戦略」について、言葉の定義や概念、思考の道具としての使い方を教えていただけます。
私たちの日々の判断や計画立案が、いままでより「戦略的」になるように想って書かれています。
こんな方にぜひ読んでほしいおすすめの一冊です。
- 戦略という言葉を改めて定義して、実践で使いこなせるようになりたい方
- 事業計画やマーケティング計画を考えている方
- キャリアを重ねる前に、基礎かつ重要なことを早期に知って実践し、ビジネス人生を強くしたい方
それでは、一緒に学んでいきましょう!
【概要】なぜ「戦略」で差がつくのか。
音部大輔さんの【なぜ「戦略」で差がつくのか。】ってどんな本?
「なぜ「戦略」で差がつくのか。」は2017年3月10日に発売された書籍です。
全316ページの本なので、5~6時間程度で読み終えられます。
1日1時間の読書習慣をつくると、1週間で無理なく読み切れますね。
簡単な内容紹介
- 曖昧で混同して使いがちな戦略の定義がなされ腑に落ちることで、効率的に資源を利用・選択し、効果的に目的達成に向かう、そんないままでよりも戦略的な考えで業務に臨めるようになります。
- 戦略的に考えるためには目的を明らかにする必要があり、いい目的を設定する方法を教えてくれます。
- 戦略の構成要素のもう一つ資源について、認識しにくいものも改めて知り解釈することで、複数の資源を効率的に運用する考えを得られます。
効率的・効果的に資源を利用し戦略を有効に機能させて目的達成へと向かう。そんなプロの教えを学べます。
日々の業務の背景にこういった考えを少しでも活かして取り組むことで強くなりたいと考えます。
著者の音部大輔さんってどんな人?
音部 大輔(おとべ だいすけ)
- クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役
- P&Gジャパンでブランドマネジャー、マーケティングディレクターとして、アリエール、ファブリーズ、アテント、パンパースなどのブランドマネジメントを指揮。
- ダノン、ユニリーバ、日産自動車、資生堂などの企業でブランドマネジメントやマーケティング組織構築を指揮。
【なぜ「戦略」で差がつくのか。】の目次
- はじめに
- 第1章:戦略を定義付ける
- 01:戦略を定義するための出発点
- 02:戦略があるとなにがいいのか
- 第2章:戦略の構成要素①「目的」を解釈する
- 01:目的にはいいものとそうでないものがある
- 02:いい目的を設定する強い味方-SMACとSMART
- 03:「目的」を別の角度から眺めて、再解釈する
- 04:「目的」を再解釈する具体的な手法
- 第3章:戦略の構成要素②「資源」を解釈する
- 01:「資源」を解釈し直す
- 02:資源を考える①内部資源
- 03:資源を考える②外部資源
- 04:資源を考える③認識しにくい内部資源
- 05:資源を考える④認識しにくい外部資源
- 06:複数の資源を効率的に運用する
- 第4章:戦略の効用
- 01:戦略を持つことでなにが変わるのか
- 02:戦略があれば不測の事態に対処できる
- 03:戦略と再現性に固執する
- 第5章:戦略を組み立てる
- 01:戦略を組み立てるための思考法
- 02:戦略の階層
- 03:「選択と集中」がなぜ必要になるのか
- 04:「選択と集中」を説明する概念
- 05:「選択と集中」を妨げる概念
- 06:複数の視点を獲得する
- 07:戦略を文章化する
- 第6章:戦略を管理する
- 01:戦略をいかに実行に移すか
- 02:戦略を変更すべきとき
- 第7章:戦略的に考える
- 01:最悪の事態を回避するための思考トレーニング
- 02:不確実性を読む
- 第8章:「戦略」をより深く理解する
- 01:実践的な思考の道具としての戦略
- 02:従来の戦略論とどう関連するか
- おわりに
心に響いた内容をご紹介
上位の手段が下位の目的になる
物事を動かし始める前に、戦略を練って担当業務の飛躍や事業の成長を狙いますが、
その際に戦略には階層性があるということを意識したいと思います。 例えば、自身の提案を上位者へ通す際に、
- 手段が目的化してしまっている
- 目的を教えてほしい
なんて根本が噛み合わないような場面のご経験はないでしょうか。
そこにはお互いの目線合わせ、上位の手段が下位の目的であることの理解が足りていなかったり、構造として、目的と資源の連鎖が機能していない状態が言えます。
わかりやすい例として挙げられていたのが
いい釣り道具が欲しいというのは、いい釣りをしたいという大きな目的に対する目先の目的でもある。という内容で、要は道具はその先の釣り自体に向けたものということです。
当面の目的がとこに帰結するための手段であったのかを見失ってはいけないとおっしゃられています。
会社の話で例を挙げると
- 全社の目的達成の手段→部門の目的
- 部門の目的達成の手段→部課の目的
- 部課(チーム)の目的達成の手段→メンバーの目的
- 年度の個人目的達成の手段→今月の目的
といったように、一階層下や短期の目的達成は、一階層上や長期あるいは全体の目的を達成するための資源であるということを理解し、機能させなくてはなりません。
事業戦略やマーケティング戦略を考えたり、個人目標を立てるような場面でも意識して機能させたいものです。
様々な手段があふれる中で、手段が目的化してしまっていたり、その当面の動きだけに着目しているケースもあると思います。
戦略の階層を理解すること、帰結する上位の目的を確認するなど注意したいです。
コピーをつくる
戦略を組み立てる上で語られていた、複数の視点を獲得する方法の一つです。
そもそも、革新的な成果を得るにあたっては、同じことを同じようにやりつづけていても期待ができません。
違うことをする、違うようにする、そしてする前には考えないといけません。
では例えば競合と違うこと、違うやり方を考えられるようになるためには、違うものを見る、違うように見ることが重要です。
そこで他者の視点を借りるということが別の見方を獲得するのに手っ取り早い手段として紹介されていました。
上司の考え方やモノの見方のコピーをつくっておくと、上司の視点から世の中を眺めることができるようになるのでおすすめされています。
彼ならどう考えるだろうか、彼女ならどうするだろうか。自分が精いっぱいの知恵を絞って組み立てた企画や計画について、どのようなコメントをするだろう。と実際に想像してみると良いです。
何もこれは大きなプロジェクトだけの話ではなく、自分がアウトプットする物事について、客観的な視点を通して見落としや異なる考え方に先に気づくことができ、より的を射た提案ができるようになると考えています。
細やかな日々のチャットや業務報告などでもそうですが、ちょっと癖づけることで本当に大きなプロジェクトに入った時に効果を実感できます。
視点を借りたい人がいつもの会議などで、
- どのように情報の摂取や処理をしているのか
- いつもなにを気にしているのか
などに注意を払っておくと、精緻なコピーをつくれるようになると音部さんは助言されています。
必要なときに適切な人のコピーを使って、○○さんだったらどう言うだろう。
と物事を観察したり考えたりすることで、常に複数の視点でモノを見たり考えたりすることができます。 自身の提案などがよりクリエイティブなものになって戦略が研ぎ澄まされます。
【要約・書評まとめ】なぜ「戦略」で差がつくのか。を読み終えた感想
この記事では【なぜ「戦略」で差がつくのか。】(音部 大輔)戦略思考でマーケティングは強くなる|要約・書評について書いてきました。
曖昧に使われがちな戦略について、言葉の定義や概念を教えていただけ、マーケティングや事業開発の実務に活きる使い方を学ぶことができました。
読む前と読んだ後では、仕事の取組み方が変わり、より戦略的な考え方で物事を進められるようになると感じます。
新入社員~若手、ミドルマネジャーなど、ビジネスパーソン必読の一冊でした。
皆様の一歩を踏み出すきっかけに「なぜ「戦略」で差がつくのか。」の当記事がお役に立てれば幸いです。
改めて戦略とは、「目的」達成のための「資源」利用の指針。この指針に基づいて、具体的な実行計画が立案されます。
そして「いい戦略」とは、達成すべき「目的」が解釈の余地なく明確に規定され、有限の「資源」の最適な使い方を示す方針として機能する。つまり、やるべきことや、やるべきでないことを明示するということです。
まとめ
- 曖昧で混同して使いがちな戦略の定義がなされ腑に落ちることで、効率的に資源を利用・選択し、効果的に目的達成に向かう、そんないままでよりも戦略的な考えで業務に臨めるようになります。
- 戦略的に考えるためには目的を明らかにする必要があり、いい目的を設定する方法を教えてくれます。
- 戦略の構成要素のもう一つ資源について、認識しにくいものも改めて知り解釈することで、複数の資源を効率的に運用する考えを得られます。
ぜひご一読を!