【新規事業の実践論】(麻生 要一)すべての会社員が社内起業家として飛躍する|要約・書評
お疲れ様です。沖縄リーマンライフです。
今回ご紹介するのは、麻生要一さんの【新規事業の実践論】です。
この本では、元リクルートの新規事業開発室長の麻生要一さんが、新規事業開発にすべてをかけてきたご自身の経験から、一人でも多くの方が社内起業家として覚醒するためのきっかけを与えてくれています。
こんな方にぜひ読んでほしいおすすめの一冊です。
- 本当はこんな仕事をしたい。でもどこかリスクを恐れてやり切れていない。
- 漠然と何かしなきゃと駆り立てられている。
- 事業開発に挑戦したい、しているけどどう進めればいいのか知りたい。
それでは、一緒に学んでいきましょう!
【新規事業の実践論】の概要
麻生要一さんの「新規事業の実践論」ってどんな本?
「新規事業の実践論」は2019年12月6日に発売された書籍です。
全300ページの本なので、5時間程度で読めます。
1日1時間の読書習慣をつくることで1週間で無理なく読み切れます。
簡単な内容紹介
- ふつうのサラリーマンでも社内起業家として覚醒できることを、考え方や手順まで具体的に示してくれています。
- 新規事業を立ち上げる前に、必ず知っておくべき適切なプロセスを教えてもらえます
- 新規事業開発の進め方を、よくある既存業務の進め方と比較して指南してくれます
よくある社内会議や業務遂行シーンを挿し込みながら解説してあり、そうそうと共感しながら読むことができて、かなりしっくりきます。
著者の麻生要一さんってどんな人?
麻生 要一(あそう よういち)
- 株式会社アルファドライブ代表取締役社長 兼 CEO ・東京大学経済学部卒業。現在は、起業家、経営者、投資家3つの顔を持つ。
- 株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)に入社後、IT事業子会社(株式会社ニジボックス)を立ち上げ、150人規模まで事業を拡大後、新規事業開発室長として約1,500の新規事業を支援。
- スタートアップ企業支援プログラム「TECH LAB PAAK」を設立し、約300社の立ち上げを支援したのち起業家に転身し、同時多発的に創業する。
- 2018年2月に企業内新規事業開発を手がける株式会社アルファドライブを創業。
- 4月に医療レベルのゲノム・DNA解析の提供を行う株式会社ゲノムクリニックを共同創業。
- 6月より「UBVENTURES」ベンチャー・パートナーへ就任しベンチャーキャピタリスト業を開始。
- 9月に株式会社ニューズピックスにて非常勤執行役員に就任。
「新規事業の実践論」の目次
- はじめに:どんなふつうのサラリーマンも、必ず「社内起業家」になれる
- 第1章:日本人は起業より「社内起業」が向いている
- 第2章:「社内起業家」へと覚醒するWILL(意思)のつくり方
- 第3章:最初にして最大の課題「創業メンバーの選び方」
- 第4章:立ち上げ前に必ず知るべき新規事業「6つのステージ」
- ステージ1:「ENTRY期」仮説を提示する
- ステージ2:「MVP期」仮説を実証し、投資判断ができる事業計画を立案する
- ステージ3:「SEED期」実際に商売を成立させ、グロースドライバーを発見する
- ステージ4:「ALPHA期」最初のグロースを実現する
- ステージ5:「BETA期」既存事業と比較が可能な最小規模まで到達する
- ステージ6:「EXIT期」新規事業としての枠組みを卒業する
- 第5章:新規事業の立ち上げ方(ENTRY期~MVP期)
- 第6章:新規事業の立ち上げ方(SEED期)
- 第7章:「社内会議という魔物」を攻略する
- 第8章:経営陣がするべきこと、してはいけないこと
- 最終章:「社内起業家」として生きるということ
心に響いた内容をご紹介
「定年後に20年は働かないといけない。しかし、そのとき、現役時代に培ったすべてのスキルは陳腐化している可能性が高い。」
まず、60歳以降の人生をそこまで深く考えていなかったなと感じました。人生100年時代、変化の時代に生きる私たちにとって、年金と退職金だけだと絶対にお金が足りないはずと著者の麻生要一さんは指摘されています。
確かに1社に勤め上げてその後、資金面で老後不安があるかないかなど、そこまで向き合っていませんでした。 加えて、その時に現役時代に培ったスキルが陳腐化しているとなると、今、自分が何に重きを置いて、どう行動するかが非常に大事だなと考えさせられました。
著者の麻生要一さんも少し極端な表現になりますがと前置きされながらも、企業での既存業務に満足していることに対し、以下のように警笛を鳴らされています。
- どんなに花形の仕事をしていても、定年後には価値がなくなるということ
- 企業の未来のための仕事ではあっても、働く一人ひとりの未来にはつながらない仕事であるということ
もちろん業務を通じてスキルが身に付きますし、他でも活かすことはできると思います。
ですが、あくまでも企業が持つ資産があってのことで、つまりどこかしらの企業に属している限りは活かせますが、定年後に野に放たれたらどうでしょうか。確かに自分一人で何ができるのだろうと悩ましいものです。
麻生要一さんは、新規事業開発という仕事だけは唯一企業の未来と働く個人の未来が一致する仕事であり、身に付けたスキルを定年後にも活かすことができるから取り組んでみてほしいと訴えかけられています。
今自分が何をするか、考え動くきっかけにもなりました。
「新規事業開発とは自分の頭で考えたことに、自分で顧客を見つけて、自分で商売にする業務。」
会社員として、ある業務の一旦を担ってやり切ることや、職位を上げてあるプロジェクトを統括して動かすのも素晴らしいです。
- でも、もっとこういうことをしてみたい
- 自分でこんなことが新しくできるんじゃないか
と問いが生まれたり、興味を持つこともあると思います。
そういった感情の中でこのフレーズを読むと
- 新規事業開発ってどうやるんだろう
- 自分でもできるのか
と気になりますし、新規事業開発は”業務”であると言われると、急に身近に感じられ、できそうな気がしてきます。
また、著者の麻生要一さんはこの業務で身につくスキルだけは
「時代がどんなに変化しようと、AIが人に取って代ろうと、必ず生き続けます。もっとも普遍的なポータブルスキルなのです。」
とおっしゃっています。
定年後の話にもある通り、自分の人生やキャリアのためにどういう仕事をするべきか。新規事業開発にチャレンジしたいと感じさせられました。
「優秀な人ほどやってしまう間違った新規事業開発手法」
新規事業開発に取り組もう、もしくは抜擢された場合に初めの一歩はどう踏み出せばいいのか、やはり学んでおくのとそうでないのとでは結果は変わってきます。
結論、「顧客起点」であることが重要だと解説されており、アイデアやビジネスモデルでもなく、顧客を中心に据えて進められるかどうかが重要とのことです。
少し見ていくと、よくある既存事業の進め方として、
- 社内外、競合、市場の調査や事例収集
- 上司への確認資料作成
など無限に大量の仕事がありますよね。また、それらをやればやるほど失敗のリスクは減り成果もでると思います。
ですが、これらの既存事業での業務の進め方が、新規事業の立ち上げ期においてはやってはいけないことになる。と麻生要一さんは指摘されています。
新規事業開発の立ち上げ期にするべきことは
- 仮説を顧客に持っていき修正する
- このサイクルをひたすら回す
これが唯一やるべきこと、とおっしゃっています。
麻生要一さんの経験からしても、このサイクルを300回転させればどんなチームでも、領域でも、ビジネスモデルでも新規事業案が導けるとのことです。
仮に300回転させようとすると、例えば1年間の時間的制約があれば
- 1か月で25回
- 1日あたり1.25回
必要です。上司との会議や競合調査を否定しているのではなく、とにかく顧客のところに行ってほしい、また時間的な制約からそんな暇がないということです。
誰のどんな課題をなぜあなたが解決するのか、 新規事業開発に取り組む意思に立ち戻ったときに、顧客と顧客課題に対する使命感や当事者意識を再認識します。
顧客不在の進め方がやるべきでないということも納得感があり、行動に落とし込みたいと思います。
【要約・書評まとめ】新規事業の実践論を読み終えた感想
この記事では、【新規事業の実践論】(麻生 要一)すべての会社員が社内起業家として飛躍する|要約・書評についてご紹介してきました。
会社員として働きながらも
- どこかもっと挑戦してみたい
- なんなら自分で商売をしてみたい
など漠然とした想いを形に変えていくのに非常に勇気をもらえ、その方法を教えてくれるビジネスパーソン必読の一冊でした。
皆様の一歩を踏み出すきっかけに、「新規事業の実践論」の当記事がお役に立てれば幸いです。
まとめ
- ふつうのサラリーマンでも社内起業家として覚醒できることを、考え方や手順まで具体的に示してくれています。
- 新規事業を立ち上げる前に、必ず知っておくべき適切なプロセスを教えてもらえます
- 新規事業開発の進め方を、よくある既存業務の進め方と比較して指南してくれます
ぜひご一読を!